ハンガリーのブダペスト、バラトンフュレド双方で2017年7月、第17回世界水泳選手権が開催されました。オープニング・セレモニーに際し照明デザイナーFrédéric "Aldo" Fayardが選んだのは、Robert Juliat製4000W HTIフォロースポット4台。ハンガリーで開催されたイベントとしては世界最大規模のスポーツ大会です。総勢2500名以上、世界180ヶ国から選手たちが参加。17日間で200以上のイベントが開催されました。
パリの "Concept K" の創立者兼デザイナー、Frédéric Fayardがオープニングセレモニーの照明創りとプログラミングを担当。フランスのプロダクションECA2グループとハンガリーのMUPAの協賛で実現しました。4kW Lancelot 4台はPRG Franceによるサプライで、ステージ前方のリグタワー2台に設置されました。セレモニーに際しRobert Juliat最新鋭のトラッキングシステムSpotMeも搭載。世界的大舞台にて華々しい初デビューを飾りました。
SpotMeはリアルタイムで呼応する3Dトラッキングシステム。フォロースポットの動きに他の灯体が一斉に連動しワンランク上のライティングを可能とする、革新的なシステムです。出演者に取り付けるセンサーやカメラは不要。フィードバック機能のない灯体も設定により連動することができます。フォロースポットに取り付けたセンサーがサーバーにシグナルを送信、PSNとDMX経由で位置情報やビームサイズ設定が調光卓に伝わり、調光卓はムービングもしくは既存のライトに設定情報を送ります。ムービングライトはショーの最中、いつでもフォロースポットの代役を務めることも可能。Fayardはまさにその機能を活用しました。
オープニングセレモニーが開催されたのは、丘にそびえ立つ高名なブダ城を背景にメイン・ブリッジ近くのダヌベ河に浮かぶ形で設置されたフローティング・ステージ。Fayardが「業界で最もしなやかでパワフルな出力を誇る」と評するLancelotが、盛大な本イベントに採用されました。
当日の天候とECA2グループのクリエイションによるダンシング・ウォーター・ショーのため高湿度下でのライティングとなりましたが、悪条件をものともせず、50~90mのスロー距離を難なくクリア、パワフルな照射を実現しました。「世界的な舞台で30年ほど照明デザインをしてきた経験から(Robert Juliatが)世界一素晴らしいプロファイルスポットとフォロースポットを製造するメーカーであると確信しています。Lancelotは以前からよく知っていて、私にとって最重要なのはその光学性とパワフルさ、ズーム範囲です。照射距離やテレビ撮影を鑑みると、やはりベストな選択でした。世界中のいろいろなメーカーと仕事をしてきましたが、どの国でライティングをする際にもまずはRobert Juliatの製品をリクエストします。」
クリエイティブかつ壮麗なオープニングセレモニーには、ハンガリー首相オルバーン・ヴィクトルも出席。ハンガリー政府要人の面々や前オリンピックのチャンピオン達も列席し、素晴らしいショーを目の当たりにしました。出演者数総勢510名以上、ハンガリーの名作曲家、指揮者のエトヴェシュ・ペーテル、シンガーのヘルツク・アーグネシュ、ピアニストのゲルゲイ・ボガーニ、またグラミー賞を3度受賞した経験のあるアメリカ人アーティスト、シーロ・グリーンもショーを華々しく飾りました。
オープニングセレモニーはGigi RadicsとNikolas Takacsによる世界選手権公式ソングとシーロ・グリーンによるコンサートで幕を閉じました。
AldoはRobert JuliatのLancelotとSpotMeのコンビネーションを用い、こうした最重要ライブでのアーティスト達や、ウォーターショーでの歴代最高女性水泳選手かつオリンピックで5度もメダリストに輝いたクリスティーナ・エゲルセギのライティングにおいて存分に試行錯誤することができました。「SpotMeが見事にLancelotとムービングライトの動きを連動し、ショーを成功に導くことができとても嬉しいです。」Aldoは言います。「とても探求しつくされ、洗練されたシステムだと感じています。」
「販売に先立ち、FINAオープニングセレモニーはSpotMeにとって、ライブコンディションでの初試行であり、現場の照明デザイナーが真に求めるものに見合うかどうかの良い試金石となりました。」Robert Juliat代表取締役フランソワは分析します。「ライブ・テストはシステムの細部調整に役立ち、このシステムがリアルな場面でも使用でき、価値あるものであるかどうかを立証してくれます。」
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