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  • 執筆者の写真RJ Industry Japan Press

【SPOTME】チェコ共和国ブルノ市民劇場、SpotMeを採用

更新日:2021年8月27日


Pretty Woman ©︎Tino Kratochvil


チェコ共和国のブルノ市民劇場の中で、最も大きなイベント会場であるコンサートホールは680席の規模、ミュージカルほか多彩な舞台が大々的に開催されています。2004年、ヨーロッパで最高の技術を備えた劇場として産声を上げました。ここでの最新の技術水準を保つべく、テクニカルマネージャーのデヴィッド・カジャーは、このたびRobert Juliatの3Dトラッキングシステム、SpotMeを照明機材のひとつとして導入しました。同劇場では、これまでにRJ製フォロースポットGinger、多色フットライトDalis 864、RJ製プロファイルライトの600・700シリーズを採用してきました。これからの劇場の将来を見据えた計画の一環として、RJの3DトラッキングシステムSpotMeは、チェコ共和国でRJ製品を独占販売しているプラハのProlight s.r.o経由で購入されました。


SpotMeはRJ製品の中でも多くの受賞歴を誇るサーバーで、舞台や出演者にエミッターやカメラを取り付けなくても、リアルタイムでトラッキング情報を作成できるシステムです。三脚とフォロースポットに取り付けたセンサーからフォロースポットの動きを読み、ムービングライトと連動させます。人間の動きと最新鋭の技術が融合した、照明デザインと操作性を限りなく高める完成されたシステムです。

SpotMe ©︎Tino Kratochvil


カジャーがSpotMeの購入を決定したのは、アーティスティック・ディレクターのスタニスラフ・モーサが、舞台後方から出演者をバックライトで追いかけたいと提案したことがきっかけでした。 「バトンや照明、美術の動きなど数々の要素を考えると、そういうポジションから照明で出演者を追うのは、人間のマニュアル操作では限界がありました。」と、カジャー氏は話します。「そこで、フォロースポットと操作卓を操って、遠隔制御できるSpotMeを選んだのです。」


新たに導入されたSpotMeは、同劇場のRJ製フォロースポットGingerと連動し、カスタマイズされたパンヘッド(現在はRJ設置製品として販売中)付きでプロセニアムアーチに近い客席前方のバルコニーに設置されています。コンサートホールでのイベントのほとんどで、照明デザイナー兼オペレーターも務めるカジャーはこの位置から、SpotMeと連動したムービングライトをMA2操作卓によって、直接フォロースポットのパラメータ内ならば、どのようにでも動かすことができます。

「MA操作卓を使うと、とても簡単で素早く設定ができます。連動させたいムービングライトを画面上でタップして、プリセットをONにして、キューをアップデートすれば、ただそれだけで可能なのです!」と彼は話します。


Pretty Woman ©︎Tino Kratochvil


カジャーは2020年12月、スタニスラフ・モーサ演出によるミュージカル版"プリティ・ウーマン"のプロダクションで、初めてSpotMeを使用しました。この舞台は2021年9月11日、チェコ共和国内での公開が予定されています。「このプロダクションではパープルなどのビビッドなカラーを用い、エッジの効いたフォロースポットとムービングライトが、主要なキャストの動きを追います。」カジャーはさらに続けて「舞台は速いペースで進みますが、SpotMeには70−80台のムービングライトが連動しています。通常モードと高速モードを使い分け、動きの速い場面でもSpotMeのトラッキングシステムのおかげでスムーズに対応することができました。」と語ります。


カジャーのSpotMeを使った照明デザインの第二作目は、一作目とはかなり様相の異なるものとなりました。ペトル・ガジク訳・演出による、トニー賞受賞作ミュージカル『ジェーン・エア』です。この舞台は今年2021年4月、無観客での公開を経て、10月には正式な初演を迎えます。

「歴史ある本作では仄暗くムードの漂う演出を考え、シャープなスポットライトではなく柔らかな輪郭のウォッシュを想定しました。」と、さらにカジャーは続けます。「ソロのパフォーマンスではムービングライトを1台のみに絞ってドラマ性を高めましたが、約50台の灯体もSpotMeに連動させておいて、いつでもどのような形でも変化に対応できるようにスタンバイしていました。」


Jane Eyre ©︎Tino Kratochvil


「新型コロナ感染による移動の制約があったため、Rober Juliatの製品責任者であるルドウィグ・ルパージュからオンラインで出来る限りの指導を受け、遠隔操作でかなりサポートしてもらいました。Facetimeを使ってルドウィグに舞台を見せ、フランスにあるパソコンから遠隔で操作卓とSpotMeを操作してもらいました。遠隔操作でシステム全体とパラメータを確認してもらえた上、私が操作卓まで移動する手間を省こうと、遠隔でフォロースポットのスイッチをONにしてくれたこともありました(笑)。ルドウィグのおかげで、SpotMeシステムのかなりの部分をよく知り、慣れることができました。」


SpotMe ©︎Tino Kratochvil


トラッキング操作にも自信が持てるようになった今、カジャーはSpotMeのあらゆる機能をさらに試してみようと考えています。「これまでは通常モードでSpotMeを使ってきましたが、フットライトのDalis 864も連動させて、専用モードではどんなことが可能か、色々と試したいと思います。Dalisは購入して以降、毎回ステージで大活躍してくれて、我々にとって必要不可欠なアイテムとなりました。調光もスムーズで、MA2卓用にルドウィグが設定してくれた色展開のプリセットもとても役に立っています。こうした機能をSpotMeに連動させて、さらに素敵なライティングを実現させたいと、今から楽しみにしています。」


Jane Eyre ©︎Tino Kratochvil


SpotMeはいままで出来なかったことを可能にし、クリエイティビティの幅を一気に広げてくれました。誰でも、どこでも、どのようなタイミングでも、連動する灯体でターゲットを追いかけられ、各灯体のどのパラメータも使うことができるのですから。サポート体制も万全で、新製品のコンセプトもすぐに理解できるようになりました。以前は近未来的にさえ見えていた最新鋭の技術を、今は簡単に扱えるのです。想像以上に完璧に作動してくれて、今では購入したことを大変嬉しく思っています。長期的にはさらにSpotMeを2台購入し、ほかのGinjerフォロースポットとも連動しようと考えています。」


SpotMeやRobert Julia製品に関するさらなる情報は、こちらまで。

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